粉瘤とは、皮膚に袋状の構造物ができてしまい、その袋の中に角質や皮脂がたまって徐々に大きくなっていく良性の皮下腫瘍です。背中や顔、首にできることが多いですが、全身のどこにでもできます。形成外科で切除する皮下腫瘍の中で一番頻度の多い腫瘍です。 皮膚のすぐ下にコロコロとしたしこりができて、数ヶ月しても消えない場合は粉瘤を疑います。自然に放置しても消えることはほとんどありません。腫瘍の中央に黒い点があることが多く、この点の部分で皮膚の外と腫瘍内部がつながっています。多くの場合症状はありませんが、細菌感染を生じることがあり、そうなると患部が赤く腫れて、痛みを生じたり、膿がでてくることがあります。
皮膚の一部が石灰のように硬くなる良性の皮下腫瘍の一つです。
毛母腫(pilomatorixoma)という別名があります。毛根に存在する毛母細胞が起源とされる腫瘍です。比較的若い人、特に小児の顔(まぶた)、腕、頸などに多く発生します。 自然になくなることはないので手術でできものを切除します。放置すると大きくなったり、まれに感染をおこして赤く腫れて膿むことがあります。
成人女性に多く、腕、大腿部や脚などに現れる硬く隆起した腫瘍です。
時折、痛みや痒みを生じますが無症状な事も多いです。皮膚線維腫は良性の皮膚腫瘍であるため、放置しても予後に影響はありませんが、外見上の問題など希望があれば外科的な切除が可能です。
別称「老人性イボ」と呼ばれます。
わずかに盛り上がったシミの様に見える良性の皮膚腫瘍です。中年以降の人の顔面、頭部、体幹に多く認めます。イボコロリなどの市販薬で治るものではなく、適切な治療が必要です。当院では、合併症を抑える目的で炭酸ガスレーザーを使って治療しています。
皮膚から盛り上がったできものを「イボ」といいますが、一般的なイボはウイルス性のもので尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)という長い病名がついています。イボ(尋常性疣贅)は,ヒトパピローマウイルスというウイルスの一種が皮膚に感染することによって起こります。
皮膚や粘膜の小さな傷からウイルスが感染すると、皮膚の細胞が異常に増殖して3~6ヶ月かで目に見えるイボが生じます。傷がつきやすい手足や,アトピーや湿疹でひっかきやすい肘やわきの下の皮膚などにもしばしばみられます。当院では、CO2レーザーを使用し、いぼをしっかり除去する方法を行っています。
治療後は皮膚にいぼをくり抜いたような凹みができるため、傷が塞がるまでの2〜3週間かかります。一度で治癒する確率は7~8割ですので、他の治療と比較して再発が少ないのが特徴です。治りづらいいぼに悩まされている場合や、短期間で治療を終えたい場合におすすめです。
首や脇などの皮膚に1-3mmの突起が多数出てくるものですが、これは摩擦や日光照射などによる皮膚老化による皮膚の変化です。30代から発症しはじめ、通常は加齢とともに増えていきます。
小さいものはスキンタッグやアクロコルドンと呼ばれ、大きいものは軟性線維腫と呼ばれます。イボが多発しており、難治性である場合には、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)で削ることで、軟性線維腫を除去する治療方法が効果的です。メスを使った治療と比べると傷跡の治りが早く、皮膚の深部である真皮を残すため、傷跡も残りにくいといった特徴があります。出血はほとんどありません。
ある程度の大きさのあるホクロは、メスにて切除縫合します。 くり抜き法、巾着縫合、紡錘形での切除、皮弁形成など、それぞれのほくろの場所や大きさ、形に合わせて、手術方法をご提案します。 また、大きいホクロは顕微鏡を使った病理検査に提出し、良性か悪性か診断することをおすすめします。
CO2レーザーは波長10600nmの気体レーザーで、皮膚組織中に含まれる水分に吸収され、皮膚組織を限局的に蒸散(削り取る)します。
当院で使用している、Jeisys社のCO2レーザー装置Edge ONEは、スポット照射とフラクショナル照射を搭載しているので様々な疾患に対応できます。また、フラクショナルモードにおける照射パターンが豊富であることも特徴です。
ほくろ・イボ・ニキビの圧出など、皮膚のできものを削りとる際に使用します。組織への負担を最小限にして、色素沈着のリスクを抑えて治療ができます。
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